天気の男(徒歩日本横断#91)

91日目の今日は山口県下関市の1番上にある道の駅豊北で起床。昨晩は西風が東風に変わり、建物自体が西側にあるこの道の駅ではもろに風を受け、だいぶ冷え込んだ。久しぶりに頭まですっぽりと寝袋に収めて無理やり眠る。

そして朝、道の駅の職員の方は6時くらいから動き始めていたのでそれに合わせて急いで片付ける。

ただ道の駅の方はそんな横石にも嫌な顔一つせずに「どっからきたん?!」とむしろウェルカムモードで話しかけてくださる。やはり旅人にとってとても素敵な道の駅だ。この道の駅は2016年と2018年にトリップアドバイザーの道の駅ランキングで日本一にも輝いていて、名実共に素晴らしい道の駅らしい。次は是非海鮮丼でも食べにきたいものだ。

そんな今日は行程的には下関方面へは進まずに、わずか5キロ先の角島大橋を「観光しよう」としか考えてなかった。(ちなみに横石の観光はうまいもの食べるとかじゃなくて、「ぼーっとながめてる」です)よってほとんど休養日だ

なので日が昇って明るくなるまではのんびりベンチで本を読んで待つことに

どのくらい経っただろうか、7時半くらいにだいぶ日が上ってきたので歩き始める

と言っても最初から角島大橋に向かうのではなく、まずは今日の寝床候補を探しに適当な浜辺へ降りてみる。流石に2日連続同じ道の駅で野宿は気がひけるし、なによりせっかく眠るならこんなに海が綺麗な場所なので海の近くで寝たいという旅情優先の考えだ。

そうして道の駅を出てしばらく歩くと、「海水浴場」の標識もないが左手には朝日でキラキラと光る海がすぐそこに見えるところまで来た。「ここを降りれば海に出れるだろ」

そう思って降りていくと

はい。大当たり

今はシーズンじゃないので使われていない静かな静かな海水浴場だ。トイレもあるし水道も生きているのでここならのんびり眠れるだろう。

早速今日の野宿先を見つけて、あとは角島大橋を見に行ってのんびりして帰ってきてテントを張るだけ…

と思いきや

西から雲が湧いてきた…

気づけばすっかり曇り空になり、「まぁ。まだいいや」ということでのんびり本の世界に逆戻り。自転車の時に晴れの角島大橋は眺めたが、やはりせっかくなら歩きでも見たいなぁという気持ちはあるものだ。

どれくらい本を読んだだろうか。200ページ分くらいを2時間ほどで読み終えて、午前10時を過ぎた頃、依然として天気は回復しないが「もう我慢ならん!」ということでとりあえず角島大橋へ向かってみることに。まぁ辿り着いてから晴れるかもしれないしね。

この海水浴場から角島大橋までは1.5キロほどしかないので20分も歩けば辿り着く。

まずは展望台となっている撮影地の定番とも言える少し高台の道の上から橋を眺める

「うーん…」まぁ海は綺麗やけど…

やはりなあ…なんか曇りだと圧倒的に存在感が足りないんだよなぁ…

「せっかくだし角島大橋を渡って、島を巡ろうかな…」そんなことも考えていたが

ただでさえ歩道のない橋なのにまさかの片側交互通行。曇天にプラスして片側交互通行は痛すぎる…一気に橋を渡る気も無くして開き直った

「よし。今日は時間だけはたっぷりあるんだから、晴れるまで待ってやろうじゃねーか」

もちろんこの曇天の中晴れる確信は全くない

気象庁の天気予報では晴れ予報だが、横石が頼りにしているヨーロッパ予報センターのデータをベースとしたwindyという天気サイトでは現在の天気の通りずっと曇天予報。雲が切れて晴れ間が見えるのは夕方からだそうだ(このアプリは本当に当たるし、風や波、雲量まで可視化できるので最強です)

「最悪青空と海が見えなくても夕日だけは…」

そう腹を決めた

日が暮れるまで残り8時間以上、何もない角島大橋の公園に居座る不退転の覚悟だ。

ただ、いざぼーっと晴れを待って座っていると本当に暇。

仕方なく本でも読んでいるが、流石の一大観光地。平日なのにも関わらずひっきりなしに観光客が訪れる。

そしてそんな観光の人たちはもちろん横石に興味津々で、、、気付けば数十を超える人たちと写真を撮るという第二の観光スポットになっていた。まるでジャイアントパンダが角島大橋に降臨したかのような盛況だ。

まぁ嬉しい限りなんだけど「これはたまらん!もうちょいゆっくりしたい」ということで公園よりは人の少ない展望台に上ってのんびり座る

先ほどよりは観光客も少なくなった展望台

雲の動きを眺めながら「いつ晴れるかなぁ」と完全に運任せのことなのに自分のことのように気になってしまう。

そしてそんな展望台にやってくる人たち

曇天でも海が綺麗なことに変わりはないので、各々に感嘆の声や「少し残念だけど綺麗やねぇ」なんて声を上げながら記念写真をお互いに撮り合う姿を見ているうちに

「あれ?これ俺が撮ってあげればいいんじゃね?めっちゃ暇だし」と思いつく

けれどもやはり「撮りましょうか?」の一言も勇気がいるもんで、最初の2組くらいはスルーしてしまう。ただ、3組目くらいに来た老夫婦の方が目の前で馴れない自撮りをしているのを見て完全に心が動く、というかもはや自然に「良かったら撮りましょうか?」と言えていた。

「ありがとう!お願いします」おばあちゃんの嬉しそうに弾ける顔とおじいちゃんの少し恥ずかしげな顔が嬉しくて嬉しくて、、

「老後の夫婦旅行も、もうあと何回できるか分からないけど、また素敵な思い出が出来たわぁ」そう言ってくれるのが心の底から嬉しかった。この微笑ましい夫婦のアルバムの1ページを飾る写真は横石が撮ったんだ…そう考えると心の底からほっこりと素直に優しい気持ちになれるものだ。そして最後には「あなたも一緒に撮りましょうよ!自撮りできるかしら?もしよかったらあなたとも一緒に撮りたいの」と

別に現像はしなくても良いけど、どこかの誰かの思い出に横石が少しだけ関わったんだ。名前も知らないけど素敵な老夫婦の思い出の一枚に…

それからは全く気兼ねすることもなく、撮って欲しそうな人を見つけては写真を撮った。こういうのって人に頼むのはなかなか勇気必要だしねぇ…それを請け負うことに誰一人として嫌な顔をする人はいなかった。

中には「あなたも一緒に写って!!徒歩で日本を回ってる方と撮れるなんて1番な思い出だわ」なんて言ってくださる方もいて、女性グループから夫婦、若いカップルまで幅広い年代や性別、本当にたくさんの方の記念写真を請け負った。その誰もが満面の笑みでお礼を言ってくれるが、こっちからしてもそういうのを見てるだけで幸せな気分になれるし、なにより日頃色んな方に頂いている優しさをほんの少しでも還元している。そんな気持ちになれるものだ。

そしてそんなことをしているうちに

雲がだんだんと切れて青空が覗く

その時写真を撮って少し話していた女性の方々と「もう少し!雲よ飛んでいけ!!!」

そう子供がサンタさんに願い事をするかのようにお願いをしていたら

ものの数分で願いが通じ完全に晴れた

良いことをした後にこうやって晴れるとあれば益々神様を信じたくなるものだ。

先ほど念を送り続けていた女性達と「お!!やった!!」と青空を無邪気に喜び合い、分かち合う。

やはり晴れた角島大橋は「観光地」というだけある抜群のロケーションだ。

空がそのまま海に溶け込んだかのように一面空色に染まり、その上を橋が渡るのでさながら本当に空に架かる橋のよう。

周囲の海の透明度もやはり群を抜いている

ここら辺の海は沖縄よりも綺麗なんじゃないだろうか、本気でそんなことを考えるしあながち間違っていないとさえ思えてしまう。

それから1時間ほどは青空が続き、色んな角度からの角島大橋を楽しんでパシャパシャしていたが、1時過ぎからはまた雲が広がり曇天

「次は夕日だなぁ、念を送ったとこう」

と思いながらベンチに腰掛けて本の続きを読んでいた

そして2時間ほどが過ぎ、午後3時半を回った頃、今度は予報通りに雲が切れて、日が傾き始めて気がつく。

「うわ!日が沈むのもっと山側じゃん。橋に沈まないんかい!」

3年前に来たのは夏の日で、その時にはしっかり橋の方向に沈んでいた夕日だが、今は冬も間近で日の沈む方向がだいぶ思っていた方向とずれ込んでいた。

正直もう少し角島大橋を眺めていたかったし、続々とくる観光客の会話を聞きながら、老若男女問わず旅行に来た楽しそうな顔を眺めていたかったが、もうかれこれここに居座ってから6時間だ。明日は下関市街のネカフェに泊まる予定なので実質最後かもしれない本州で沈む夕日を眺めたかったので、角島大橋を後にすることに

確か野宿先に決めた朝訪れた砂浜なら完全に西向きなので日が沈む位置はずれていても夕日は見れるはずだ。

ということでだいぶ長くお世話になった角島に別れを告げて、1.5キロ元の道を歩いて砂浜へ

夕日もバッチリ、ロケーションもバッチリ

実質本州最後の野宿にして今までで最高の寝床ではないだろうか

波もほぼ凪と言って良い穏やかさで、風もほぼない。最高の環境だ

キラキラと水面を輝かす一筋の光の道

明日の好天を約束するかのようにオレンジに染まる空を見ながら、いつまでも潮騒に耳を傾けていた

歩行距離 10キロ

山口間下関市豊北町

総歩行距離 3129キロ

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801 件のコメント

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