沖縄へ(徒歩日本横断#109)

11月28日、鹿児島新港からフェリーに乗り込んで23時間の船旅を経て翌29日の16時35分。定刻通りに沖縄本島は本部港へ上陸した。

今日のブログはそんなフェリーに乗る前、本土最南端に辿り着いた後まで遡る。

佐多岬からフェリーの出る鹿児島市内までの100キロ以上の道のりでなんと送迎を請け負ってくれた男がいたのだ。

それが旅の後輩で鹿児島に住む大学2年生のひろき。彼自身去年自転車日本縦断をし、今年も北海道を一周した生粋の旅人だ。

そう、あれは横石が九州に入った頃

「鹿児島でもし佐多岬まで行くなら自分が迎えにいって市内まで送りますよ!家泊まっていいですし!」と神の一声をかけてくれたのだ。

正直この一声が無ければ佐多岬まで行くことは全く考えてなかったのでまさに旅路を動かす運命の一言だった。

そしてそんな男気に甘えて往復6時間の道のりを送迎して鹿児島市内へとその日の夜(27日)にたどり着いたのだった。

ひろきはなんと北海道でしか買えない横石が大好きなサッポロクラシックを家で箱買いしていたといい、ウェルカムドリンクのように佐多岬でサッポロクラシックを貰った

本土最南端で最北のビールを嗜む…旅人にとってこれほど粋な演出は無い。さすが旅人ひろき、わかってるなぁ…

そして鹿児島市内ではひろきの実家である橋口家にお世話になり

鹿児島名物が一堂に会す「わかな」という居酒屋で鳥刺し、かつお、きびなご、刺身盛り合わせ、地鶏の溶岩焼きなどありとあらゆる鹿児島名物を橋口家の皆さんにご馳走になった

次の日はフェリーに夕方乗るだけということもあって久しぶりに心ゆくまでお酒も飲み、鹿児島ということで焼酎も嗜み(横石は日本酒とかワインより焼酎や泡盛が好きなのだ)

家に帰った後も

お酒を楽しみ、忘れられない素敵な夜を過ごさせていただいた。

旅行が好きで無骨なかっこよさのある九州男児なお父さんと、優しくて人当たりのいいお母さんに自分にとっては弟のようなひろきに囲まれて久しぶりに「家」という暖かさを感じた夜だ

そして次の日

バイトに行くひろきと自宅マンションから一望できる桜島をバックに最後に写真を撮ってお別れ。来年ひろきは太平洋側を自転車旅するらしいので、関東圏に来たら盛大にもてなすことを約束して手を振った。

そしてフェリーの時間まで橋口家に荷物を預けたまま

去年訪れてハマってしまった鹿児島で行列のできるつけ麺とラーメンの店、バガボンドへ行く

この日も14時だというのにまだ並んでいた

注文したのは炙りチャーシューつけ麺大盛り

分厚いチャーシュー5枚と麺600gという特大サイズで今世紀最大の格闘をしたが味は相変わらずのピカイチで半年分のつけ麺を食べた気分だ(割とまじで50キロ歩くのよりきつかった)

そして満腹の腹ごなしに鹿児島市内を散策

市内のどこからでもすぐ目の前に雄々しい桜島を望むことのできる鹿児島市はやはり九州の中でも特別気持ちのいい場所だ。飯も酒も美味いし、火山灰問題以外は最高の場所だろう。実際去年鹿児島で一緒に過ごした同じ大学の旅人、某四柳くんも「鹿児島サイコー!」とか言いながら長い間滞在してたもんなぁ。確かあいつは一週間くらいいた気がする

そして今年唯一衝撃だったのが

鹿児島港のシンボルだった商業施設、ドルフィンポートが今年の3月で閉鎖になって更地になっていたこと…何かと思い出のある土地だったので目ん玉飛び出るかと思った…

某四柳くんもここで野宿していて桜島の噴火で飛び起きたという思い出の地だったのでそれを伝えたところ

「俺の寝床が…」と嘆いていたが、君の寝床ではないことだけはわかって欲しい。てかよくもまぁこんな市街地近くで寝れるなぁとある意味感心するところだ。

ちなみに某四柳くんの伝説のエピソードとして、佐賀県唐津にある虹の松原という本当になにも無い松林で10日間テントを張って過ごしたという話がある。しかもその10日間別に天気が悪かったわけでも無いのに…

その時の彼のブログ

他にも意味のわからない停滞は数知れず、そしてなぜか僻地でチャリのトラブルが起きるという不運の持ち主某四柳くん。

自称君の寝床がまた一つ減ってしまったね…

ドルフィンポート跡地で不覚にもなぜかそんな男を思い出しながら橋口家に戻ってお母さんとコーヒーを飲みながら最後の一服をした後、そのままお母さんに送ってもらってフェリー乗り場へ

フェリー乗り場では仕事終わりのお父さんも見送りに来てくれて、最後は固い握手をしてお別れだ

橋口家の皆さん本当にありがとうございました!本土の最後に心休まる幸せな時間を過ごすことができました、、、!

そして11/28の18時発のフェリー波ノ上に乗り込んで

日本本土を離れて沖縄へと出港した

去年乗ったフェリーと会社が違うのもあり(奇数日と偶数日で同じ航路でも会社が違う)しかも1番新しい2012年に就航したフェリーだったので雑魚寝部屋でも仕切りがありゆっくりとした時間を過ごせた。

ちなみにシーズン外なのもあって16人寝れる部屋で4人という閑散ぶりだったがその4人全員とも旅人で偶然にもバイク日本一周勢という、まさに旅人が収容されたタコ部屋のようになっていた

ちなみに23時間の船旅のうち溜まった疲れを取るかの如く14時間寝ました。

波も去年より穏やかであまり揺れずに、どこかの島に着岸してはデッキでその島を眺めて、部屋に帰れば誰かしらと旅のお話をし、のんびりした船旅を送る

沖縄に近づくたびに青さが増していく海を眺めながらいよいよ上陸する最後の地に想いを馳せ

遂に沖縄上陸!!

徒歩日本横断25都道府県目であり5年間の旅の集大成となる舞台だ。

最後のイーーーン!!を済ませて、今日の寝床はもはや本部港での定番となっている本部緑地公園。

まぁ本部港に入港するのは毎回16時過ぎなのですぐ近くにあるこの公園しか選択肢がないのだけど、そんな唯一の選択肢のくせに管理棟の広すぎる軒下でテントを張れる良い野宿スポットだ

そして今日はフェリーで隣だった同い年の日本一周ライダーも寝床が決まってなかったらしいのでここをお勧めしたところ一緒にテントを張ることになった。

やはり自分的にも誰かがいる野宿は安心感が違うのでありがたい限りだ。

同い年ということもあって色々と話をしながら、最後の旅が幕を開けた。

歩行距離 5キロ

鹿児島県鹿児島市→沖縄県本部町

総歩行距離 3760キロ

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