本当の優しさ(徒歩日本横断#25)

25日目の今日はいわて銀河鉄道小繫駅で起床

本当は駅舎で寝た方がテントも立たずに楽なのだが、鉄道会社から「駅舎での宿泊行為はご遠慮ください」と書いてあったので、そこはルール遵守で誰も使っていない駐輪場にテントを張り、始発の1時間前には撤収を済ませた。

そこから小一時間ほどぼーっと雰囲気の良い木造の駅舎で過ごす

そして駅舎で過ごすうちに気付いたのだが、実はここ、小繫駅は「待合室」という映画の舞台である。あらすじはこんな感じ。

しかもこれ、実話であり

なんと命のノートは16冊目(写真では15だが)に突入していた。

一つ一つページを巡っていく

そのページひとつひとつに人の人生があり、本当に励ましの言葉やお返事を書き続けるおばあさんも実在していたのだ。ノートを見ていると、なぜだか優しい気持ちになって涙が溢れそうになる。

そうしてそろそろ出発しようかと思っていた、まだ朝の6時前、1人のおばあちゃんが草刈りと掃除に現れた。

思わず声をかけてしまう

「あの…映画のモデルになったっていうおばあちゃんですか?!」

「そうですよ」

そう微笑みながら

「今日はここに泊まったの?」

「そうなんです…許可も得ずに申し訳ありません…一応駅舎はダメみたいだったので外の駐輪場でテントを張って寝ました」

「そんなの気を使わなくて良いのに!旅の疲れを癒してくださいましたか?」

「はい!のどかで良いところで、静かで、たくさん寝れました!」

「それはよかった、さぁ、駅舎の中に入りましょ。草刈りなんていつでも出来るけど、あなたと話すのは今しかできないんだから」

そう言って駅舎の中で色んな話をする

おばあちゃんが本当に数十年前から命のノートに返事を書き続けていること、毎日掃除をしていること、人とお節介が大好きだということ…

そして横石は愚問をしてしまった

「この駅はほとんどお客さんもいないのに毎日お掃除されてるのはなんでなんですか?」

するとおばあちゃんは優しく

「人がたくさんいるとか、いないとか、だからどうこうということではないの。大事なのは、こんな小さな集落の駅でも使ってくれる人がいる。この駅を目当てに来てくれる人もいる。その人たちがいつ来るかはわからないけど、いつ来ても良いように、毎日綺麗にしておくの。その方が来たときに気分が良くなるし、なんせ私はお節介だからね」

そう照れ臭そうに笑うおばあちゃんの笑顔が、なによりも眩しい。そして自分の考え方なんてまだまだ子供だということを実感する。こんなに素敵で優しい考え方、思いつきもしなかった。

たとえ明日、世界が滅びても
ぼくは今日、リンゴの木を植える

本当はもっとお話ししたいけど、旅人は進まなければならない。お別れの時だ。

「次来た時は、もう私は死んでるだろうけど、それでもまたきっとこの駅に来て、ノートに書いてね、天国からお返事するから」

そう言われて、上手に返す言葉も見つからず、ただおばあちゃんに向かって手を振り続け、前に歩く。

今日も暑くなりそうだ。だけども気持ちはとても軽かった。お金や学校では学べない、人の温かさを学ぶことができたからかな。

ちなみに今日も地図を見た感じではあまりパッとする野宿先候補がなかったので、歩きながら探そうと思う。条件としては明日は雨予報であまり歩けるかわからないが、盛岡で外せない用事があるためになるべく盛岡中心部に近づいておくということだ。

まず朝から峠を登る

と言ってもさすが幹線道路の国道4号。ゆるやかすぎる峠で、あまり登ってるかどうか自覚もしないうちに

なんと東京青森間で700キロある道路の最高地点に到達してしまった。なんか全く自覚なく登ってしまったし、なんならもう少しきつい峠であってくれたほうが思い出に残るんだけど…

まぁでもこの暑い中でキツイ峠はそれはそれでさらに文句を言うだろうな。むしろこの程度で済んでよかった。と思いながら少し下ると

奥中山高原という町に出る。高原といえどまぁ普通に町。コンビニで毎日の日課の野菜ジュースとビタミンCジュースを飲んで少し休憩。

ていうか今更思うんだけど、国道4号ってゆるいけど山ばっかり。横石は関東に住んでるので割と馴染み深い国道4号だが、関東平野で馴染みが深かっただけで、実は岩手は山だらけだった。新たな発見をできてよかった。(岩手は山。メモメモ)

そして奥中山高原を下るあたりから徐々に雲が出てきて、昨日ほどには気温が上がらなそうだ。これはなかなかラッキーな展開。ゆるい下りでしかも昨日より涼しいとあれば、だいぶ旅路も楽になるだろう。

曇ったといえど最高気温は35度予報。暑いことには変わらないが、やはり日差しを浴びるのと浴びないの差は大きい。汗だけはかくが、しっかり水分を補給していたので昨日のようにフラフラすることも動けなくなることもなく、ひたすら歩くことができた。おかげさまで写真はあまりないけど…笑

残してた写真といえば

「あ、ここめっちゃ水生昆虫いそう」とか思いながらパシャリした休耕田とか

風格漂う姫神山とか

なんか綺麗だった線路と雲とか

なんの意味もない趣味に偏重したものばかり

まぁ普段横石はこういうのばっか見てると思ってみていただければ笑

本当に友達とか、家族とかなら分かると思うんだけど、普段から人が気にしないようなものが好きなのだ。この年になっても夏になると毎晩のように近所の森にクワガタ取りに行くし…なんなら飲みに行った後そのまま友達を無理やり山に連れて行くし…うん。出来ることは大人になってもやることは子供なのだ。

でもだからこそ他の人が退屈と思うような旅路でも自分の楽しみを見つけて満喫できるということもある。世の中幸せは見つけたもの勝ちだ

そして気づけば県庁所在地の盛岡市へ

ここから中心部までは30キロ弱あるのでまだまだだが、これで一応自転車と徒歩合わせて全ての県庁所在地を訪れたことになる。自転車の時の岩手は沿岸部だったので盛岡を通らなかったのだ。気づけば30キロほど歩いていたが、もう少し歩いて更に盛岡市街に近づこう。

実は今日はスタートから20キロ地点に24時間休憩所が解放されている最高の道の駅を見つけていたので、最悪野宿場所が見つからなかったら、その道の駅の最寄りまで電車で戻って次の日にまた元の電車駅まで戻って歩き始めれば良いやと、少し気が楽なのだ。多少課金にはなるが、連日の猛暑で体力を消耗していたのでとにかくゆっくり寝れる場所が必要だった。

ということでここから8キロほど先の渋民駅という場所に狙いを定め、周辺に何もなければすぐに電車に乗り検討をつけておいた道の駅に戻る計画に。これだったら次の日は渋民駅まで電車で来てまた18キロ歩けば盛岡駅だし、いくら明日大雨が降ろうが確実に明日に盛岡市街までは辿り着けるであろう計算だ。

行く道では路面がびっしょりで、ちょうどゲリラ豪雨が降っていたことを知る。運良く横石が歩く場所は降らないでそのまま渋民駅に到着。またもや猛暑の中38キロ歩いてしまったが昨日とは打って変わって疲れがあまりない。やはり日差しの有無はだいぶ大きいようだ。

そして渋民駅ではまさかの

駅前の広場に「ここで野宿してくださいー!」と言わんばかりの大きい東屋とトイレがある。民家からも離れていて、まさに野宿適地だ。わざわざ電車で戻るまでもなく、運良く今日の野宿場所を確保することができたという奇跡が起きた。

もちろんすぐにテントを張るわけではなく、暗くなるまでのんびりと時間を潰していると

前々から横石の旅を応援してくださっている岩手の方がお会いしに来てくれ、差し入れまで頂いてしまった…

毎年の旅もだいぶ続けてきて、その分応援してくださっている方も増えたおかげで最近は応援してくださっている方同士が繋がることがあるようで、横石が喜ぶものばかり差し入れを頂く…ボディーシートなどもシャワー代わりに愛用しているし、なにより地ビールなんかめちゃくちゃ嬉しい…

ということで

またも優しさに感謝しながら、岩手の銀河高原ビールで乾杯!!まさかここでもお酒が飲めるとは…ありがたい気持ちに浸りながら、暗くなってきたのでそろそろテントを立てようと思う。

歩行距離 38キロ

岩手県一戸町→盛岡市

総歩行距離 754キロ

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7 件のコメント

  • こんばんは、本日から拝見させていただいてます。
    今日は暑くて大変でしたね。
    こちら奥州市です。運よくお会いできましたら光栄です。
    パソコンは夜しか見れません。通過する際はお早めにメールお願いします。

    • コメントありがとうございます!以降このブログで少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!仕様上こちらからそちらのメールアドレスは拝見できないのでこちらに返信させていただきますが、奥州市は3日後くらいに通過する予定です。あくまで予定なので詳しくはブログなどで確認して欲しいのですが、参考になれば!

  • The subsequent time I read a weblog, I hope that it doesnt disappoint me as a lot as this one. I mean, I do know it was my choice to read, but I truly thought youd have one thing attention-grabbing to say. All I hear is a bunch of whining about one thing that you possibly can repair when you werent too busy on the lookout for attention.

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