天下の険(徒歩日本横断#49)

49日目の今日は小田原鴨宮の快活クラブで4時に起床し、準備をし5時には快活を出る

まだ夜明け前の薄暗さだが、今日は来るべき東海道1の難所。天下の険とも呼ばれる箱根峠へとアタックする日だ。

距離数は40キロと、おそれるほどではないが、箱根には3つのルートがある。

①箱根駅伝でもお馴染みの国道1号

②旧東海道となる県道732号

③旧東海道と共に未舗装の江戸時代からある東海道を進む歩きだけのコース

数字が大きくなるにつれ、峠の斜度はあがり難易度も上がるのだが、横石が行くのはもちろん③のコース。なので、峠の途中で何かアクシデントがあったときのためにも早朝スタートで余裕を持たせる作戦だ。

コースは気持ちいいくらいのThe峠

スタートから小田原駅までの3キロほどは平坦だが、小田原駅から箱根湯本までの8キロで緩い登り坂が始まり、箱根湯本から箱根峠の頂上までは15キロほど妥協なき峠道が待っている

小田原駅まではウォーミングアップも兼ねてのんびり歩くが、唯一の懸念が今日は雨が降らない予報だったのに見事にぱらついていることだ。まだ降ってるとはいえないほどの小降りだが、向かうべき箱根の山は完全に雲の中。

「これはもしかしたら雨に降られるかもしれない…」

一気に落ちる気分だが、今日は進むと決めているので退くことはない。

戦国1の堅守な城としても名高い北条家の小田原城を横目に峠へ向かっていく。(本当は北条氏康とか大好きだから行きたかったけどまた今度)

そして小田原市街を抜けて、箱根町に入った頃、いよいよ雨が降り始める。まだ強くはないがこれは想定していた以上に降りそうだ。

急いでレインウェアを着込んで、まだ始まったばかりの峠道の先を見据える。相変わらず箱根の山は雲の中。

ここから長い闘いの1日が始まった。

箱根湯本までは標高差も100mもなく、余裕を持って7時過ぎに到着

いやー。旅行で何回も来ている箱根湯本だけど、正直もっと山の上かと思っていた…ここから700mも標高を上げないと箱根峠には辿りつかないのか…

そして湯本のコンビニが峠の頂上までの最後の補給地点となるので買い出しをしていると、雨が強まってくる。

ここから本格的な峠が待っているというのに、出るに出れずにコンビニの庇の下のベンチに座っていると

同じように雨宿りしていたおっちゃんから「あったまっていけ」とコーヒーをもらってしまった…ここは素直にゆっくりするとしよう。朝早く出た分時間に余裕はあるし…

結局雨は弱まらず、小一時間ゆっくりしてしまったが8時に歩き出す決心がつく。どんどん強くなる雨だ。この際とことん濡れてやろう。キツかった思い出の方がいつか思い出して飲む酒が美味しくなるってもんだろ!

そこからは最大斜度20%を越える険しい旧道をひたすら登る。歩き旅の唯一いいところは斜度に関係なくほとんどの場合は一定のペースで歩けることだ。普段から0.5キロほど時速を落とした4.5のペースを維持して登る。

雨なのか汗なのか、もうわからないほどレインウェアの下はびしょ濡れだが、それに反比例するように気持ちは昂る。

やはり峠はこうでなくちゃ!そう思う

今年の旅の峠はまだ生温いものばかりで、今年初めてきちんとした「きつさ」の峠を味わってどこか嬉しい自分がいたのだ(まぁじゃないと毎年好き好んで険しい山道に挑まないけど)

今回の箱根は大雨が重なって、足よりメンタルに響く険しさだ

そして畑宿の集落に着き、ここからあと5キロで芦ノ湖へ。残り5キロは見て分かる通り「七曲り」という九十九折を筆頭にいよいよ登りのピークだ

そして旧道のさらに旧道。江戸から続く本当の東海道の石畳も登りながら732号をトラバースしていく。

雨で路面は濡れ、酷く滑るので最大限の注意を払いながらだが、やはり江戸から続き昔から数多くの旅人がこの道を使っていたとなると感慨深い。

もちろんただでさえ九十九折の道を直登するので、ものすごい斜度だが、歩きだからこそこの道を通れるのだ。歩き旅のロマンじゃないか

そして七曲りも越えていく、

この頃になると頭にトゲが刺さったようにメンタル面の辛さも無くなり、久しぶりに峠の境地に達する。身体はただ上を目指す機械のように精密に時速4.5を刻みながら登っていく

今回に限っては標高はそうでもない代わりに雨に濡れすぎたせいもあるだろうが、この過酷さを超えた境地が心地いいのだ。

そして無事に芦ノ湖へ。箱根峠のピークは終わり、雨のピークも過ぎたようで、湯本以来のコンビニへ向かい濡れた体を休めながら昼飯を食べる。現在11時なので30分ほど休憩を挟んでから3キロ先の箱根峠へ向かうのみである。残りの登りはキツくはないので、ここまでくれば箱根峠は終わったも同然。

そして休憩を済ませ、歩き始める。

気温が平地より4度ほど下がっていて、体も濡れているので震えが止まらないが、最後の登りでしっかり体を温めながら、雨も止み徐々に乾いてきたおかげで風邪などは引かないで済みそうだ。

そして正午ちょうど、ついに!!!!

国道1号最高地点、箱根峠に到着

難易度で言うと今までの峠の中でも中の上だが、大雨のメンタル面でやられた部分はあった。しかしそれさえも楽しめた精神…横石も旅を重ねるにつれ強くなっているようだ。

箱根を登りさえすれば

あとは三島までの下り坂

15キロ続く下り坂も自転車ならボーナスタイムだが歩きだと膝をいつ壊すかわからない油断できない道のりとなる

膝にだけは気を使いながら、流石に上りと比べればよほど楽な下り坂を無事に降りて

無事に三島駅に到着

今日はこれから、2年前の自転車日本一周の時に礼文島で出会ったご家族に泊めてもらう。箱根峠のご褒美のような、静岡初日の最高の夜はまたあした…

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775 件のコメント

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