秋霖(徒歩日本横断#61)

61日目の今日は道の駅紀伊長島マンボウで起床

昨晩20時には眠りについてしまい、ふと目が覚めた23時半頃に何気なくSNSを開くと、目ん玉が飛び出るようなメッセージが入っていた

それは去年のお遍路の前に徳島で台風に遭った時もホテルを2泊取ってくださった、くみこさんという方からで

「明日も台風で停滞?もし尾鷲(ここから26キロ先)まで行くならホテル取るよー♪」と…

メッセージを見た途端眠気が吹き飛ぶ

確かに

台風14号は横石の今いる紀伊半島の東側にピンポイントで大雨を降らせる予報で、どうしたもんか…と思っていた。ここから21キロ行った所にもう一つ道の駅があるので「最悪やばかったらテント片付けてトイレに籠るしか…」というあまりしたくない覚悟を固めて歩こうとしていたところでこのお誘い…

飛びつきたいところなのは山々だが、台風をやり過ごすとなるとまた2泊することになるのであまりご負担になると…と思い「すごくありがたいのですが、また2泊することになりますし尾鷲は紀伊半島の中では街ですがやっぱりホテルも少ないので申し訳ないです!お気持ちはありがたいのですが無理なさらないでください!」と申し訳なさとありがたさの狭間を彷徨う精一杯の返信をしたが、30分後には

「ホテル取れたよ!ゆっくり休んでね♪」

と…

正直本当にありがたい限りで、大雨が降り続く深夜の道の駅で一人不安に駆られながら野宿しているこの状況で、この優しさに触れると涙がこぼれそうだ…

くみこさんにこの上ない感謝で溢れる

去年もそうだが、いつも本当に横石が困っているが、誰の手も借りれない時にそっと手を差し伸べてくださる。詰みかけた状況での、その一手がどれだけありがたいか…

不安もどこかに吹き飛んだようにすっかり眠って、そして朝。

こういう日は日が昇る前に一度早起きして天気予報を見るのが日課だ。もちろん半分「もしかしたら雨弱まってるかも…」なんて淡い期待を抱く目的もあるが、それ以上にもし仮に一時雨が弱くなるタイミングが早朝だった場合、それを逃さずに歩き出せるようにするために朝早くから雨雲レーダーをチェックする。

……

だよねぇ

テントから聞こえる雨音を聞いて薄々気づいてはいたが、流石に雨が弱くなることも無さそうだ。しかし風はまだないので、台風に刺激された前線が大雨を降らす中、今日は尾鷲までの26キロを死ぬ気で歩く覚悟を決める。歩き切りさえすれば安住の地だ。

午前中のうちになんとか近づいて、チェックインの3時には余裕で到着しておきたい。午後にもなれば風も強まって余計に歩くのは困難になるかもしれない。

ただ唯一の不幸中の幸いは、朝の台風の進路予報の時点で上陸する可能性はほぼ無くなったこと。雨はもちろん強いが、相対的に昨日の予報よりは少し弱まるのではないかと思われるので、あとは各地に災害がないことを祈るばかりである。例えば横石が無事に台風をやり過ごしても、道の先で土砂災害や氾濫などが起きればどう頑張ったってその先には歩けなくなるのだから。

そして今日は全く写真がない

大雨の中を6時間歩くため、ケータイやカメラを出す余裕もないのだ。水没させないためにバックパックの奥に仕舞い込んで、雨装備を整える

いつも着ているレインウェアとバックパックのレインカバー、さらには一昨日おばあちゃんにもらった折り畳み傘ではまだ頼りないほどの雨なので、旅のアニキから受け継がれた自衛隊用のポンチョをさらに上にかぶり、三重構造にして万全を尽くす。

そして雨の中を歩き始める

ものの数分で唯一カバーできない足元はビショビショだがこれは想定内。

大事なのは自分の荷物、次に身体の芯を冷やさないこと。

もうケータイさえ見ないし、時間も分からないので、国道のキロポストだけがどれだけ進んでいるかの頼りだ。

地名や地形は予め頭に叩き込んでいたし、自転車日本一周でも通った道で、ある程度把握はしているので地図は全く必要ない。

あとは1キロ1キロ

大雨の中を歩いて行くのみ

心だけは切らさないように

そう。こういう酷い雨の日は、体もそうだが心を持っていかれる。少しでも気を抜けばプッツリ糸が切れてもう2度と歩きたくないと思ってしまいたくなるほどに簡単に…

もちろん歩かないことも出来る。けど歩くことを選んでいる以上、最終目的地の与那国に着くまで心だけは切らさないようにしなければいけない。なのでこういう日はなるべく無に、何も考えず、何も欲さず、「濡れたくない」とも思わないことが大事なのだ。

「濡れたくない」と思ってもどうせ濡れるので、変な期待は抱かない。ただ目の前の道だけ見てればいい。

そして歩き続けているうちに、あることに気づく。

それは今日、横石を支えているものが全て誰かの優しさから生まれているということだ。

おばあちゃんにもらった折り畳み傘が無ければ降る雨全てが身体に届いて、もっと簡単に冷えていたかもしれない

アニキから受け継いだ自衛隊ポンチョが身体に届く雨を最初に受け止めてくれるおかげで直に冷たい雨で濡れることがない。しかもバックパックの荷物までしっかり守ってくれる

そしてくみこさんがホテルをとってくださらなければ、未だ寝床や夜の不安に駆られて、この大雨の中で心は完全に折れていたかもしれない。

雨になるべく濡れない最高の環境を様々な人が用意してくれて、その上で安住の地が待っているからこそ、今横石はこうして歩けている。この旅の最初から持ってきていたレインウェアだけではどう頑張っても今日の雨には太刀打ちできなかっただろう。

様々な方の優しさを受け取り、かといってその人たち一人一人は「大したことしてないよ!」と思うかもしれないが、そういうものが折り重なって、決して切れない綱のように今の横石を歩かせてくれている。

そうふと思えた瞬間、身体の芯まで熱くなった

本来休憩をきちんと入れるべきだが、今日ばかりは休憩も無しにひたすら歩き続けて、午前11時には本来の目的地だった道の駅海山へ21キロを歩き通し辿り着いた。

ここまで来ればあとは尾鷲市街まで5キロしかないので、やっと少し落ち着いて休憩をすることに。

道の駅で温かい月見うどんを頼んで、汁まで飲んでしっかり身体を温め直して少しゆっくり2時間ほど休憩を挟む。

そしてラスト尾鷲までの5キロは峠越えだが、ここまで来れば怖いものはない。唯一トンネルで物理的に死ぬことだけは怖いけどね!!そうなったらもう運でしかないから!!

ということで1時間きっかりで残り5キロを歩き切り、台風接近の大雨の中なんとか26キロの道のりを歩き切った…

うーん、長かったのか、短かったのか、分からないなぁ…ひたすら精神と時の部屋で戦っていた気分なのでなんとも言えないが、幸いにも三重構造雨仕様のおかげでほとんど身体も濡れることなく、ホテルに辿り着く

ありがたいことにチェックインより1時間早かったがチェックインもさせてくれたので、ただちに濡れたものを干し、台風に向けて食料を近くのコンビニに買い込みにいき、ついでにやっすい発泡酒も買い込み(名古屋ぶりのお酒)準備は万全だ。

明日の朝最接近する台風の影響で明日の夕方頃までは荒天が続くというので、しっかり二泊して雨の中消耗した体力も回復させたいところである。くみこさん本当にありがとうございます!

ちなみに明後日の朝からまた歩き始めるが、ここからはさらに秘境というか、田舎エリアに突入していくので尾鷲はある意味ちょうどいい中継地点にもなってくれた。しっかり充電なども済ませて、また明後日に備えたいと思う。

久しぶりに骨のある1日だったなあ…無事で良かった自分!

歩行距離 26キロ

三重県紀北町→尾鷲市

総歩行距離 2023キロ

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2 件のコメント

  • こんばんは!

    台風が接近しているので、テント泊は難しいと思っていましたが、ご友人の方からのホテルの予約は、ありがたいことですよね!

    折りたたみ傘にポンチョも役に立っているようですね!

    お体休めてくださいね!🦆

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