ハード☆徒歩ダー(徒歩日本横断#84)

84日目の今日は出雲市郊外のくにびき夕日公園にて起床、というか暴風が吹き荒れる夜で、寝たのに寝た気がしない。

昨晩の夜20時頃から強烈に風が吹き荒れて、テントは右に左にまくられていく

横石が入っていなければ一瞬で飛んでいくような風だ。もちろん公園野宿なのでペグは常識的にも、地面的にも打てないので、耐えるしかない。

数分に一度はテントの側面が90度曲がって顔に押しつけられて息が苦しくなるという訳の分からない状況に陥っていた。不幸中の幸いは、ペグを打ってない分、テントのポール自体には負荷がかかりにくく折れずに済んだ点か。

3時間ほどそんな暴風に耐えて、23時を回った頃にようやく落ち着く風、と同時に安心から眠りに落ちたが、午前3時頃、またもや暴風。今度は先ほどより酷いものだ。テントが受ける風圧がすごすぎて、身体が浮きそうになる。

「おいおいまじか」そう焦る暇もないほどに両手でテントの端を押さえ込むのに必死だ。

それから1時間で風は少し治り、寝れるほどにはなったので寝たが、結局5時過ぎにまたも吹き荒れる風。

「テントがあるからこんなに風圧受けるんや、もういいや全然寝た気しないけど片付けよ」

ここまでくるとそう悟るしかない。

テントが飛ばされないよう、普段の数倍時間をかけてまだ明るくなる前にテントを片付けてしまった。寒くて鼻水も出るし、顔も痛いし、久しぶりに過酷な夜となった。

ほら見て、ちゃんと付けたはずのフライヤーが朝には風にまくられて剥がれてたんだよ。そんなこと経験したことないわ。そりゃ寒いわな、風が吹き抜けなんだもん。

それにしてもテントが無事だったのだけが救いか。我が7000円のテントは台風の時も今回の出雲暴風事件も耐えてくれた。費用対効果の鬼かもしれない。

無事に暴風の中の撤収作業を終えた後は、自分へのご褒美にあったかいコーヒーで身体を温め、午前7時に出発だ。

今日は最初44キロ歩く予定だったのが、後で説明する事情があり50キロにまで伸びました(50キロ歩いたくせに7時出発だったからめちゃくちゃ気合入れて歩いた)

歩き始めから相変わらず風が強く、朝のうちは普段なかなかしないレベルの防寒装備で歩いていく

まず公園すぐそばのくにびき大橋を渡って海沿いへ出るが、橋なんて一番風の吹き荒れる場所だ。歩いているにもかかわらず寒すぎる。そして思う「あれ、俺まさか海に近い河口の公園でテント張ったのもあの暴風の原因なんじゃね?」いやあり得る。ていうかそれだ。ただでさえ風が強い日に海沿いや川沿いは地獄を見るという教訓になった。やはり昨日五月蝿いからと言って出雲大社すぐ近くの道の駅をスルーしたのが悪手だったか…いやでもこの公園に来たおかげで今日歩く距離は短くなってるし…

なんてグルグル考えながら冷たい風に煽られ、鼻水を垂らして歩いていく。

くにびき海岸道路という比較的整備された新しい道を6キロほど歩いてようやく海に出る

そしてしばらくすると

雲が切れていき、昇ってくる太陽が冷え切った朝の空気を暖めていく。レンジで言うと700Wでチンされたくらいの勢いだ。この時ほど太陽の力を実感したことはないかもしれない。あっ、小学生の時虫眼鏡で紙を燃やした時もすごいと思ったなぁ…

そんな朝日に体も照らされて芯から温まってきた時、ようやく苦しかった長い夜が終わった気がして、安堵感で思わずポロリといきそうだった。

ようやく防寒具をしまうことができ、身体も軽く、気分も軽くなって、あまり寝てない割にはすこぶる調子良く歩いていく。

午前9時、まだ歩き始めて2時間で11キロをハイペースで歩いて(寒いから身体あっためるために飛ばしてたのもある)国道9号に合流する。

そして今回初めて目にする、本州最後の街下関の標識。まだ距離はあるが、遂に射程圏内まで来たか…我ながら今年もよく歩いてきたなぁ…

そんな下関の存在がチラつく、国道9号に合流してからもしばらくは風光明媚な海沿いを歩く

山陰本線と青い海と長閑な農村の組み合わせ

山陰も中盤を迎え、最後の都会区間であろう出雲を抜けたあたりでようやく「これこそ山陰海岸の風景」と言わんばかりのノスタルジーな風景が広がりはじめた。やはり山陰は人が少ないからこその日本の原風景的な美しさが広がっているんだよなぁ。横石の大好物な風景だ。

そうだなぁ、、山陰の風景は子供の頃に田舎のじいちゃんばあちゃん家に遊びに行った時の高揚感と帰り際に胸の奥がツンとするあの感じが漂ってくる。そんな感じだ。

(ちなみに今まで歩いてきた島根の最も都会な松江出雲はまだ島根全体の三分の一ほどで、これからはずっとこんな風景が続く海沿いの田舎道を150キロほど歩いてようやく島根を抜けられます。まぁ島根の人口69万人の半分くらいは松江と出雲の狭い区間だからねぇ)

そしてしばらく海沿いを歩いたあとは内陸へ舵を切って

標高100mほどの峠の道中で、次の大田市へ

そのまま峠をおりて、長閑な田園風景を横目に歩いていく

それにしても今日は自分でも驚くほど調子の良さが続く。この時点でちょうど正午なのだが、歩き始めたのは7時で休憩もあって実質5時間弱で26キロを進んでいる。

あれ、もしかしてあんま寝ない方が調子いい?

いやこういう生活を続けると後で絶対体調を崩すからやめておこう。ただでさえこのご時世体調を崩せば色々大変だ。あ、ちなみに横石はこの旅では今のところ健康体そのものです。そろそろ寒さで崩しそうなのが怖いけど…

そのまま1時頃には既に31キロを歩いて、奇跡のすき家(まじで出雲越えてからすき家あると思わなかった。旅人の味方すぎる)に駆け込んでランチセットでお腹を満たす。

これで500円なのはもう本当に頭が下がる

そしてすき家のある大田市街を抜けると、再度海沿いへ

なんか海を見るたびに抜群のロケーションで山陰本線があるんだけど、これは乗りたくなるなぁ…実はまだ山陰本線は乗ったことないんだよなぁ…歩きとチャリではきてるくせに笑

そのまま海沿いを歩き、スタートから44キロに到達した時点で午後4時。今日は本当に調子良く歩いてきて、まだ日暮れまで余裕を残してあと6キロ地点まで来たので少し寄り道をして琴ヶ浜という浜に向かう。

馬路という海沿いの風情ある集落の抜け道を歩いていく。小道には西日が差し込み、ひだまりの道を海へ。

そして浜辺へ出た瞬間、逆光で見えなかった琴ヶ浜が姿を表す

吹き荒れていた風は収まり、穏やかな山陰の海がそこにはあった。とても綺麗で、少し儚い晩秋の海辺を1人歩く。

もちろんこの海の美しさは折り紙付きだが、寄り道してまできたのは別の理由もあった。

それはこの海が「鳴き砂の浜」として有名だからだ。

鳴き砂というのは、文字通り鳴いたように「キュッキュッ」と音を発する砂のことで、波打ち際の渇いた砂を狙って足を擦ると、琴ヶ浜の日本一とも言われるきめ細かな砂によって鳴くように音が鳴るのだ。

早速横石も、渇いた砂を狙って「いざ!」

「きゅっきゅ」というより「クックッ」と言う感じだがしっかり鳴いてくれた。実はこの浜は

大好きな水曜どうでしょうでも訪れているので一度来てみたかったのだ。

んー。しっかり鳴ってくれてありがとう。ちなみに大泉洋は鳴らすのにめちゃくちゃ苦戦してたが、割とあっさり鳴ったのは意外だったな。

ただし誰もいない海で1人地団駄を踏んでるみたいだったのは少し恥ずかしい。客観的にみたらただのやばいやつだ。

そんなこんなで美しく面白い琴ヶ浜を満喫し、あと6キロをラストスパート。

日が暮れるギリギリの5時半に50キロを歩き通して目的地へ辿り着く。

実は今日、本当は先程の琴ヶ浜まで44キロを歩いて野宿する予定だったのだが、これから去年も広島で会ってお世話になった旅人仲間の後輩がわざわざ広島から車を飛ばして会いにくるのだ。しかも一緒にテントを張ってくれるというので「せっかくならもうちょっと先に温泉あるし、ゆっくり温泉入ってキャンプしようや」ということで急遽距離を伸ばして歩いてきた。

まぁもう一つ今日こんなに歩いた理由としてあるのだが、それは明日のブログのお楽しみで

今後輩の中江くんは出雲大社を観光した後に「鍋の具材買ってきます!」と言っていたので、それを待つ間にブログを仕上げてる次第である。

それにしても今日は44キロしか歩かないと思ってたから7時に出たけど、なんとか休憩時間も入れた10時間半で50キロを歩きとおすことが出来た。久しぶりに本気?出して歩いて心地いい疲労感なので、しっかり温泉で疲れを癒そう

そんな楽しい夜はまた明日のブログで!

ちなみに今日は風の代わりに今シーズン一番の冷え込みです❤️

歩行距離 50キロ

島根県出雲市→大田市

総歩行距離 2910キロ

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