悔しさのち晴れ(徒歩日本横断#111)

111日目の今日は沖縄最北の道の駅ゆいゆい国頭で起床

めちゃくちゃ広い軒下も山ほどあるし、奥まった場所もあり、コンビニもすぐ横にある。星5のミシュラン野宿道の駅に認定します。

そんな今日も相変わらずの曇り空。沖縄に来るまでは20日連続くらいでずっと晴れていた分ここにきてツケが回ってきたようだ。

まぁ夜中に土砂降りで降ってた雨も上がって曇りになっただけラッキーか…

なんてポジティブ思考で歩き始める

今日はまず沖縄本島最北端の辺戸岬まで行き、そこから13キロ先のキャンプ場を目指す36キロのコースだ。

まず国頭の中心地である辺戸名の市街地を越えて

そこから20キロはひたすらに海沿いを歩き続ける。ただ、沖縄の道路は新しく建設されてるところが多いからか歩道が完備のところが本土より遥かに多くて歩きやすい限りだ。

大体本土だとこういう海沿いの道はヒヤヒヤするほど狭い道が多いんだよなぁ、、

相変わらずの強風で海も荒れ模様。ここしばらくの風は北東方向から吹いているので今歩いている西海岸はまだ吹きさらしではないにも関わらずこの風だと、いざ辺戸岬に着いてから東海岸を歩いた時の吹きさらしの状態がどれほどかも気にかかる…

最北に近づくにつれて、いや、国頭の市街地を越えてからは全くと言っていいほど「町」も無くなり寂しい海沿いの風景が続くが、5キロに1回ほどは本当に小さな集落にたどり着き、そこにはたまにこういう店がある

「共同店」というコンビニやスーパーさえ進出していない沖縄北部ならではの光景だが、要するに集落の方達が共同して経営する小さな商店だ。見かけた限りもう半分くらいは営業しているかわからないような場所もあったが、それでもこの昔ながらな風景にはほっこりさせられる

そして相変わらず沖縄の方も優しくて

今日もまた2千円握らせていただいてしまった…

昨日に引き続いてちょうど1日の生活費をいくら贅沢しても賄える金額なので本当にありがたい限りだ…おかげさまでしっかり食べて精をつけさせていただいています。

そして辺戸岬から手前5キロ地点の最後の集落で少し道を逸れて山道へと入っていく。なにしろこの先には断崖絶壁から海を見渡せる茅打バンタという場所があるらしいのだ

それにしても北部の集落は開発もされていないので擦れていない沖縄の原風景を味わえるのがいい。どこまでものんびりした時間が流れて、無数の蝶が風に舞っている様子はまさに楽園。島時間を体現したかのような風景だ

そうそう。台風もあるからか、こういうコンクリート作りの建物が味があっていいのよね。

沖縄で台風はまだ体験したことはないが、海に囲まれて風を遮るものがない分、直撃した時には本土の人じゃ想像できないほどなんだろうなぁ、、

そんな集落を越えれば茅打パンタまでは残り2キロ、ジャングルのような細い山道をひたすら登っていく

こういう山道は少し怖いものだが、不思議と沖縄の森は高揚感さえある。鮮やかな蝶はそこかしこに舞っているし、なにより鬱蒼とした南国の森を探検している感覚は本土では味わえないものなのでどこか高揚してしまうのだ。

そんなジャングルを登り続けると、高さ80メートルの切り立った断崖の上に小さな展望台が見えてくる。これが茅打バンタだ

見下ろすとその絶景さがよくわかる。

珊瑚礁の棚が整然と海岸線を取り囲み、水色→深い青と綺麗なグラデーションを作って見るものの心を鷲掴みにする。

沖縄ならではのコーラルリーフを拝めるポイントだ。全く知らなかった場所だけど、単純な綺麗さでいったら本島でも屈指のものだろう。

しばらく佇んでいると「クックック」というヤンバルクイナそっくりの鳴き声が後ろの森から聞こえてきた。気のせいかもしれないし本当にいるのかもしれないが、例え気のせいだとしても確かにその存在を感じてしまうほどに北部の森の豊かさは底知れないものだ。

そしてここから最北端の辺戸岬は残り3キロほど

最果て感漂うさとうきび畑と大石林山をバックに歩いていき

ススキの生い茂る草原を抜ければもうすぐそこだ。

小さな建物とともに辺戸岬の駐車場に出た瞬間、吹き荒れる暴風とここまで辿り着いてくる波飛沫。北東の風を遮るものがなくなった瞬間こうも風が強いのか、、と思いながらも意を決して岬へ向かう

特に「最北端」という文字はなく、ただそこに存在する沖縄最北端に辿り着いた

そこに待っていたのは息も出来ないほどの暴風と止めどない波飛沫。記念撮影をする暇もないほどに荒れ狂う沖縄の北の果て。気圧の傾きでしばらく風が強くなる予報ではあったがここまでとは想像していなかった…

これほどに「怖い」と風に対して思ったのは自転車旅の知床峠以来か、あの時は自転車ごと峠から転げ落ちそうなほどに強風だったが今回はそれに匹敵するほどだ。

余韻に浸る暇もなく、わずか1分程度で岬を切り上げて駐車場にある建物の影で風を凌ぎながら考えごとをする。

それはこの後の進路に関してだ。

今日の目的地はここから13キロ先の海沿いにあるキャンプ場だったが、北東方向からの強風に対して思いっきり北東方面へ向いている海岸沿いにあるキャンプ場。

辺戸岬も同じように北東方向に開けている岬で息も出来なく恐怖を感じるほどの暴風なので風の強さはさして変わりはないだろう。

なによりこれからのルートで

赤い道のりの沖縄北部東海岸沿いを歩こうと思ってはいたが、風向きもしばらく北東方向の強風が続き、そんな風をモロに受ける東海岸ではとてもじゃないがテントを立てられるような状況ではない。しかも歩き旅は軽量化が第一なので今持っているテントを固定するペグもアルミ製の安価なものでとてもテントが耐えられる風ではないと判断したのだ。

「だとしたら東海岸沿いのゲストハウスみたいな安宿に泊まればいいじゃん」とも思うが、沖縄1秘境エリアの北部地域は、もちろんそんな宿泊施設もほとんどなく、あっても高いお宿なのでとてもじゃないが手は出せない。

結論から言うと、自分の持っている装備や今置かれている状況から旅の安全性を考えて、このまま東海岸沿いを歩いてテントを張るのはリスクが大きすぎるので諦める。ということだ。

諦めるとあれば、先程まで通ってきた西海岸をひたすら戻れば朝まで居た風を凌げる道の駅で野宿が出来るし、その先天気が崩れても射程圏内に北部の中心地である名護市街があるのでいくらでもエスケープできる。

もちろん来た道を名護市街まで戻れば往復100キロは同じ道を歩かなければいけないし、なにより歩きたかったヤンバルの森は東海岸側が本番なので悔しくもある。だけどもこういう旅を続けている以上自然と向き合うのは当然のことで、時に自然は美しい風景で背中を押してくれる時もあれば、厳しい環境で行く手を阻むこともあるのだ。そしてなにより5年間自然と向き合い一人で旅を続けてきたからこそ、こういう時に自然を舐めると痛い目を見ることは誰よりも分かっているつもりだ。

そう、もはやこういう状況は神様に「これ以上進んだらあかんで」と言われているくらいのものなのだ。

ここは何より冷静に、旅人として最良の判断として引き返すことにする。

いや!こんな格好つけたけど、本当はめちゃくちゃ悔しいけどねっ!!!

そう戻ると決心して、悔しさを押し殺しながら歩いていたら沖縄の地に来て初めて晴れ間が見えた。「よしそれでいい」そう神様が言ってくれているようだ。

道を戻れば戻るほどみるみるうちに雲は流れていき、気づけばまるで夏空のような晴天。

日差しに打たれ蝉時雨に包まれる、12月が始まったと言うのに不思議な心地で、悔しさも雲と一緒に流れていくようだ。

「後悔して後ろを振り向くくらいなら、選んだ道の正しさ信じた方がよっぽど気持ちよく前に進める、自分の選んだ道だろ!」

人と違うことをずっとやってきて時に不安になった時に自分に言い聞かせてきた言葉が、まるで肯定されたかのような空だった。

戻る山道では沖縄固有種のリュウキュウイノシシに遭遇したり(ベルグマンの法則という恒温動物は南へ行けば行くほど小さくなるという法則があるので沖縄のイノシシは小さい)戻らなければ出会えなかったかもしれない生き物にも出会えた。

こうして自分の選択を肯定することは旅、いや、もはや人生においてある意味1番大事なことなのかも知れない。

先ほどまで歩いていた道のはずなのに、やはり晴天と曇天では風景が全く違く見えてくる。もはや違う道を歩いているような沖縄本来の風景だ。

少しずつ沈んでいく太陽を真正面に受けながら、静かに歩き続ける。

国頭の市街地が見えた頃にはすっかり黄昏時になり、淡い紫に染まった海は「おかえり」と優しく迎え入れてくれるようだ。

そして午後6時過ぎ。本来の予定からは10キロ以上多い距離を歩いて昨日野宿していた道の駅へ戻ってきた。ここまで来れば西海岸なのと風除けがたくさんある建物の軒下にテントを張れるので安心して眠れそうだ。

難しい選択をし、頭を使い、歩き、ドッと疲れが出た1日だったが、なぜか充実感に満ち溢れた、そんな日だった。

歩行距離 47キロ

沖縄県国頭市⇄辺戸岬

総歩行距離 3848キロ

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