巡り巡る(徒歩日本横断#50)

昨晩は静岡県裾野市に暮らしている松山家にお邪魔させていただいた。

実はこのご家族とは、自転車日本一周の3年目の時に礼文島で家族旅行中の松山家と偶然お会いしてから今まで旅を応援してくださっている方たちなのだ。今回も昨日のゴールだった三島まで迎えに来てくださり、そのままお世話になった

最高に美味しくて温かい家庭の味をお腹いっぱいに食べさせていただき、お酒を飲みながら旅の話などで盛り上がる。ブログをずっと見てくださっているだけあって、横石の旅を自分のことのように話してくださる笑顔がとても嬉しい。「松山家はみんなよーだいくんのファンなんだよー!」そう言ってくださるだけで幸せだなぁ…最北の島、礼文島での出会いが二年経った今、こうして繋がってくるっていうのは、これまた旅の不思議なご縁だ。

そんな素敵な夜を過ごして、朝

栄養満点の朝ごはんを食べながら準備をしていると

「もし良かったらもう一泊していっていいですよ!今日歩いたところまで迎えにいくし、野宿よりは家の方が疲れも取れるでしょう?」

と神様のような優しいお気遣いをいただく

だいぶ迷うが、甘えられるご好意には甘えさせていただくことにした。

ということで今日は歩けるところまで西へ歩き、また松山家へお世話になることに…!昨日の箱根越えの疲れもまだ残っているので、荷物は最低限に絞り松山家へ置かせていただき、スッカスカのバックパックで歩けることになった。

朝は横石の2歳下の娘さんの蘭ちゃんに昨日のゴール地点の三島駅まで送ってもらうことに(実は昨日も蘭ちゃんに迎えに来てもらった笑)

ちなみに蘭ちゃんとは礼文で会って以来も仲がいいので連絡はたまに取り合っていて、久しぶりの再会だったけど、大学一年生の頃を最後に見てなかったから、やはり大学三年生になると大人っぽくなるんだなぁ…と少し感動した。一方横石は変わらず真っ黒なままだ。身体とメンタルだけは強くなったけど…

そして午前9時。三島駅から歩き始める

目標は31キロ歩いて富士市から静岡市に入るくらいまでだ。バックパックが軽すぎて、むしろ歩きにくくなるくらいの快適度でズンズンと国道1号を進んでいく。

三島からわりとすぐに沼津へと入るが、流石東海道。日本で1番の主要道路なだけあって幹線道路沿いの街並みは賑わっている。

そして幹線道路の必殺技

高架橋もめちゃくちゃ多い、、

今日はバックパックが軽くて本当に良かった…

平地だと昨日の反動は全くなく余裕で歩けるのだが、階段が久しぶりのきちんとした峠のおかげで筋肉痛だったので、フル積載だったら軽く悲鳴を上げてそうだ。

しばらく国道1号を歩き続けていると、道は小川沿いになり、永遠と続くと思われたつまらない幹線道路の中のオアシスのように横石を迎えてくれる。

曇り空から晴れてきた空の太陽を反射してキラキラ輝く青の光が桜の枝に止まる

「もしや!」と思い、そーっと木の影から覗いて見ると…

スマホでズームしたから画質は悪いけど

宝石のように青く光るカワセミが水面を窺っている。

今までの旅路で幾度となくキラキラと飛ぶ姿は見てきたが、止まった姿をこの距離で見たのも、それを写真で捉えたのも初めてだ。

警戒心が強くすぐ飛び去ってしまうカワセミだが、このカワセミは本気で魚を狙っているのか、飛び立つことはなく、その美しさを存分にお披露目してくれた。

そしてしばらくすると水面にダイブ!

キラキラ光る水飛沫と青い羽は、その一瞬が止まって見えるほどの美しさだった。

魚を加えて飛んでいくカワセミを見送って、先へ歩く。

そしてこの小川には彼岸花が咲き乱れ

そのまわりを飛び交う蝶たちのコントラストが、また目を釘付けにする。

晴れてくると生き物たちも輝きだし、それを見逃さない余裕も生まれるので、やはり旅は晴れるに限るよなぁ…

道端の美しさこそ、歩き旅の醍醐味なんだ。

バックパックの軽さも相まって、気持ちも軽く、飛ぶように歩いていく

お母さんに朝早く用意してもらった愛情のこもったお昼ご飯を口いっぱいに頬張り、体力も万全。

やっぱり握り飯っていいよね。なんか元気が出るさ。

そして思い出の富士市に入る。

ここは横石の自転車日本一周初日の目的地でもあり、自宅からスタートして、愛鷹山から富士市までの峠の辛さとゲリラ豪雨にバキバキに折られた心で辿り着き、その峠から見た太平洋海美しさを永遠に覚えている場所だ。あの海の美しさと自分の足で海にたどり着くという達成感が、今の横石の旅の原点なのだ。

あれから随分と旅をしてきたが、まさか次は歩いてくるとは思わなかった…

4年前のあの日から、幾度となく旅を重ねてきて、その道中で松山家の皆さんとも出会い、そしてその家族に見送られてここに戻ってきた。

巡り巡る旅路はどこへ行き着くかいつも分からない。

それでも横石の行きたい方へ

本当に辿り着きたい場所へ

導くように、導かれるように

この足はいつも連れていってくれる

そして出会いはいつも繋がってくれる

またこの先も

きっと本当に行きたい場所へ

心の赴くままに

いけたらいいなぁと

始まりの場所に戻り、そう強く願った。

ちなみに横石が4年前の旅で初めて目の当たりにした海は、富士山から1番近い港らしい。

今日は晴れたが、やはり秋の風が強く、汗ばむ程度の心地良さだ。涼しい海風を存分に浴びながら久しぶりの青空の下を進んでいく。

階段の向こうは青

涼しげな木陰の参道で頼りなくなったセミの声を聞きながら最後の休憩を入れて、今日の目的地、静岡市に入るまで残り10キロ。荷物が軽い分9時スタートでも15時くらいには31キロを歩き終えてしまいそうだ。

そして道中もう一つだけ思い出の場所を訪れる

それがここ

道の駅富士

まるで高速のパーキングのような1号線沿いの小さな道の駅だが、実はここは横石が人生で初めて野宿をした場所だ。

今だったら絶対に寝たくないような環境の幹線道路沿いの道の駅だが、18歳の横石は本当に旅の初心者だったので、こんなところでも寝てしまったのだ(車がうるさいし人通りがありすぎて寝れたもんじゃなかった)

まぁ、あの時は本当にヘトヘトだったしね、今思えば本当にいい思い出の道の駅だなぁ…

そしてこの道の駅を過ぎれば富士川を越えて静岡市へ、

富士川から東側の静岡県民いわく「富士川から西はほとんど行かないなぁ…浜松より東京の方が近いし…」だそうだ。

静岡の大きさがもろに分かるセリフだし、なにより最近地元の人の土地勘を聞くのが好きだ。地元の人の土地勘は結構面白くて、暮している人ならではの考えが垣間見える

富士川を越えれば静岡市に入り、目的地の新蒲原駅はすぐそこだ。

新蒲原に3時に着き、また蘭ちゃんに迎えにきてもらってしまった…

蘭ちゃん本当にありがとう!

今度旅から帰ったら東京でなんか奢ります笑

ちなみに蘭ちゃんには家に帰る前に柿田川の湧水に連れてきてもらった

青いイメージがあったけど、普通に透明だった笑

そして今日も松山家なのだが、実は松山家はお寺だ

綺麗な本堂と、ここでは言えないが重要な文化財レベルの品の数々が保存されている古くから続く由緒正しき地元のお寺なのだ。

敷地も広く、綺麗な日本庭園が癒してくれる

明日もうちょい写真撮ろう…

そして1番の驚きはこれ

なんと家のすぐそばにお寺が管理する滝があるのだ…

まるでジブリの映画に出てきそうな荘厳な風景が家のすぐ隣に広がってるって…リアルぼくのなつやすみできちゃうじゃん…ただただ羨ましい、素敵な環境だ。

さらにこれ

富士山が近いからだろうか、天然の湧き水が湧いているのだが、これもまためちゃくちゃ柔らかで美味しい軟水なのだ。明日の旅立ちではこの湧水をいただいて行きたいと思う。

そして5月には蛍が

滝を囲むようにある田園の中を飛び交うらしい…田んぼもまだ水を貼ったばかりの時期なので水面に反射する蛍の光はそれはそれは絶景なのだそう…

これはまた5月に是非来なければ…!

まだまだ知らない日本は、そこら中に沢山あるんだなぁ…

明日は2日間お世話になった松山家の皆さんと別れを告げ、いよいよ静岡市街へ本格的に歩みを進める。これから天気はしばらく晴れるようなので存分に東海道を楽しんで行こう

歩行距離 31キロ

静岡県三島市→静岡県静岡市

総歩行距離 1613キロ

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561 件のコメント

  • こんばんは!

    横石さんのブログは旅の疑似体験ができて、沢木さんの本よりも愉しく読ませていただいております!

    3年前に出会われたご家族に招かれ、やはりお人柄がそうさせているのでしょうね!

    日本一周の旅を自転車、それと徒歩で計4回もやってやると、また大きなバックパックを背負って野宿をしていると、精神力と体力はかなりのものなのでしょうね!

    duck4は鳥好きなので、
    カワセミさんの写真が印象的でした!
    こちらでもカワセミさんが見かけるようになり、全国的に増えてきているようですね!

    涼しくなってきているのでお体ご自愛くださいね!🦆

    • 身の丈に合わないくらいのお褒めのお言葉本当にありがとうございます!素直に嬉しいです!
      そうですね、メンタルも体力も、最初の頃と比べると格段に成長しました!

      カワセミ最近よくみますよね!美しくて微笑ましくて自分も見入ってしまいます!はい!本当にありがとうございます😊

  • Today, I went to the beach front with my kids. I found a sea shell and gave it to my 4 year old daughter and said “You can hear the ocean if you put this to your ear.” She placed the shell to her ear and screamed. There was a hermit crab inside and it pinched her ear. She never wants to go back! LoL I know this is totally off topic but I had to tell someone!|

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