風をあつめて(徒歩日本横断#101)

101日目の今日は道の駅日向の第二駐車場にあった東屋で起床

第二駐車場なので全く人も来ないし、静かな道の駅泊となった。お店とも道一本挟んで離れているので朝も遅めの6時半に起床し片付ける。

天気も快晴、今日も暑くなりそうだ

歩き始めると早速、大根やキャベツがそこら中で緑の絨毯を敷いている。まるで夏に巻き戻ったかのような緑が眩しい光景だ。

ちなみに今日は

宮崎市街手前の新富町というところにある無料の富田浜キャンプ場までの37キロを歩く。距離もそんなにあるわけではないので、国道10号から一本海沿いの県道にそれてのんびり歩くことに。

相変わらずコスモスが咲き乱れている陽気

午前9時を過ぎたあたりでもうすでにノースリーブでも少し暑いくらいだ

(多分)ツマグロヒョウモンも温まったアスファルトで日光浴をしている

小さなアンダーパスの向こう側には自衛隊の船が通りかかる。今日は演習でもしてるのだろうか、海を眺めるたびに船が見えていたなぁ

スピッツの「春の歌」を口ずさみたくなるような陽気でご機嫌歩行

「さえぎるぅなぁ〜どこまでも続くこの道をぉぉ♪」

天が抜けたような青空なので、旅に出たくなった。

いやもう出てるんだけど、また玄関を開けて「行ってきます!」そう言ってピカピカのバックパックを背負って歩き出したい、そんな気持ちになる快晴だ。

途中風情ある都農駅でトイレ休憩を挟んだあとは防風林の合間から海が見える道へ

サーフィンの聖地の宮崎県らしい白波が立った青い海が広がる

波のたたない凪の海は浮世離れした美しさがあるが、こういう白波の立つ海は「The海」と言った感じで雄大な感じがする。

丸いごろついた石に波がぶつかる様子は、さながら子供が無邪気に遊んでいるかのようだ。

波が何秒ごとにくるか、数えてみる

1

2

3

4

5

石が波に攫われて、また戻って、カラカラコンコン音を立てていく。自然の木琴のようでなんだか少し眠くなるほどに優しい音色のその音は、5秒のリズムを小気味よく刻みながら永遠とも思えるように続いていく。

そのまま海沿いを歩いていくと小さな港町に出た

ふと後ろを振り返ると

別になんでもない風景なんだけど、なぜか立ち止まって眺めてしまう。

いつだっただろうか、2年前の北海道だったか、キャンプ場で仲良くなったおっちゃんが歌っていた歌をなぜか思い出す

街のはずれの
背のびした路次を 散歩してたら
汚点だらけの 靄ごしに
起きぬけの露面電車が
海を渡るのが 見えたんです
それで ぼくも
風をあつめて 風をあつめて 風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を

どこか力の抜けたような、だけども旅情を誘われるメロディと歌詞で、思わず聞いたんだ

「それは誰の歌ですか?」

そしたらそのおっちゃんはしたり顔で

「はっぴいえんど…」

そう言って

満足そうにビールを飲んでたっけな

多分あのおっちゃんは、横石がその歌手を知らない世代だからその質問が来るのを見越してはっぴいえんどを歌っていた。

なんか今になって急に思い出した会話だけど、あのおっちゃんは多分若い頃めちゃくちゃモテてたんだろうな。だってそんな事言われたらかっこいいもん。

ちなみに横石は今でもたまにはっぴいえんどを聞いている。いつか口ずさんだ時に「誰の歌ですか?」と聞かれたら「はっぴいえんど」って言いたいから。

今日はそんな日だった。とりあえずフォークソングを口ずさみたくなるような、のどかでのんびりした旅路ってこと。



そして相変わらず皆さん優しい方ばかりで、差し入れも飲み物や食べ物など4回くらいは頂いただろうか。穏やかな心持ちで歩いていると多分顔も穏やかになっているみたいなので、多分今日はそういう日でもあった。はっぴいな顔って事だね。

夕方5時には本日の目的地の無料キャンプ場へ

またいつも通り誰もいないかと思ってたけど、意外と人が多い。さすが連休。最近コロナも増えてきてるからみんなアウトドアしたがるんかなぁ…

横石からすると一人寂しくテントを張るのもいいが、一人だといくら慣れてるとはいえ色んな面で怖いこともあり、こうやって他の人がいるのはなかなか安心感がある。久しぶりにちゃんとしたキャンプ場というのも相まって安心してゆっくり眠れそうだ。

ちなみにテントは先客の方に挨拶をして、東屋の中に張らせてもらった。

晩秋から冬のキャンプは気温差でテントが結露してびしょびしょになるのが常なのだが、長年の旅で発見した唯一の結露回避方法が「屋根がある場所でテントを張る」なのだ。結露してしまうと次の日の朝が本当に萎えるし、乾くまで待つほど歩き旅はのんびりしてはいられないので東屋や軒下があるのは本当にありがたい。

ちなみに屋根の効果は絶大で、この間テントの幅の半分ほどしかない軒下に張って寝ていたら、半分だけびしょびしょで軒下の半分は全く濡れていないことが判明した。これは冬キャンプの最重要事項な気もするレベルな筈なのに「屋根の下でテントを張る」という文化はキャンパーにはあまりないので浸透していない。いわば旅人だからこそ知り得る知恵なのだ。

綺麗な三日月が光り始めた黄昏時、椰子の木のシルエットがまるで絵画のよう。今日は星が綺麗に見えそうだ。

明日は宮崎市街を通って青島の方まで行きたいと思っております。それではおやすみなさい

歩行距離 37キロ

宮崎県日向市→新富町

総歩行距離 3537キロ

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