103日目の今日は宮崎市青島のゲストハウスで起床
フカフカのベッドと枕は最強だということが旅中は身に染みてわかる。快眠をかまして起きるのもゆっくりめの朝7時。
そんな今日は日南海岸の入り口でもある青島からひたすらに海沿いを南下し日南市の外れにある無料キャンプ場を目指す40キロの道のりだ

これから行く日南海岸は自転車旅でも通った事がないが「The宮崎」な海の風景を味わえると聞いているので久しぶりに歩く前からワクワクしていた。天気も絵に描いたような快晴だ。

早速青島から2キロ程だけ内陸を歩いて小さな「堀切峠」という峠を登った瞬間、いきなり現れるヤシの木ロード。ここから今日は残り38キロひたすらこういう道が続くらしい。
そして堀切峠からは海の眺望を開けて

かの有名な鬼の洗濯岩が何キロも海沿いに続く雄大な風景が目の前に広がる
久しぶりに思わず「おお、、」と感嘆の声が漏れ出てしまうほどの絶景だ
波が化石になったかのようなこの波状岩は地殻変動で上がってきた岩が波に侵食されて出来たここでしか見れない地形。どこまでも水平線が広がる日向灘と相まって「地球」そのものを味わえる風景だ。

真っ赤なハイビスカスのつぼみと背景の青がどこまでも絵になり南国気分を朝から満喫し、鬼の洗濯岩の海岸沿いまで降りていくためにお次は亜熱帯植物広がるジャングルウォーク

虎でも出てきそうな鬱蒼とした森を駆け下りると

目の前に広がる鬼の洗濯岩
昔の人は本当に素敵な名前をつけるなぁと思わず感心してしまう。たしかに鬼が今にも洗濯を始めそうな綺麗に並んだ洗濯板のようだ
鬼の洗濯岩は青島周辺の海岸をぐるりと取り囲んでいるので存分に楽しむことができるが、そんな風光明媚な海域を抜けても日向灘の美しさは続いていく

ふと横を見れば透き通った青。ゴツゴツした岩の間にポツンと存在するプライベートビーチのような空間が旅情を誘う

潮風には浜ゆりが揺れ、色彩豊かな海岸沿いはまさに南国そのもの。冬がもうすぐそこに迫っているとは全く思えない。

太陽に反射してキラキラと光る海面は万華鏡を覗いているみたいに一つとして同じ模様はなく、ただ波の赴くままに輝く

九州の海沿いはこの日南海岸を歩いたことでほぼ全て旅をしたことになるが、多分ここが最後にして1番透き通ってる青だ。
快晴の日に気持ちのいいくらいスカッとした快青の海。どこまでも歩いていきたくなるし、まるで今日が旅立ちの日のような高揚感が止まらない。

小さな子供が波間で揺れるように遊んでいる
最近「エモい」って言葉で、美しさも懐かしさも切なさも、抱く感情全てが片付けられてしまうつまらない世の中になったけど、そんな陳腐な言葉では語りきれないほどに日本は綺麗な国だと、旅を重ねるごとに実感していく毎日だ。
そもそも人間にとって恵まれていることが「言葉」という存在だと思っていて、言葉の使い方ひとつで本来表現することができない目の前に広がる風景や心に抱く感情を無限に表現できるのが人間の持って生まれた才能なのに、それを「エモい」一言で片付けることが何と勿体無いことか。

いや、むしろそんな言葉ひとつで表現出来てしまう世界しか味わえていないのか。
どうか世の中の人が一瞬でもいい、いくら言葉を探しても言葉で形容することが出来ないほどに美しい風景に出会える世の中であってほしいと思う。
そしてもしそういう世界を知りたいと思えた日が来たなら、それこそよく晴れた青い日に、ひとり遠くへ旅に出ればいいと思うんだ。
何も考えず、行きたいところへ、迷い込むように、呼ばれるように

旅はいつだって
この道の途中に転がっている

宮崎の海は
ラムネ色で満たされて
一人の旅人を待ってくれていた

「暑いなぁ」そう一人呟くのも悪くない
むしろ一人だからこそ、目の前に広がる風景を心ゆくまで咀嚼し切って飲み込んで、また歩くことができるから。
宮崎に入ってからは「寒くないの?」って言われなくなったなぁ、みんな横石に負けず劣らず真っ黒に日焼けして、笑顔が素敵な人ばかりだ
道の途中で出会った男子高校生2人組は、
「宮崎市街から日南まで自転車で向かってます!」と弾ける笑顔と充実感で話しかけてきたなぁ
青春してるねぇ、君たちも
そのあと横石が北海道から歩いていることを知って「俺たちバカだと思ってたけど、もっと凄い人いたなぁ」なんて苦笑いしてたけど、違うんだよ、大事なのは距離でも手段でもどこから来たかでもない、今そうやって青空の下を汗かいて笑ってどこかを目指してる、その事実が何よりも大切なんだよ。

ちなみに宮崎名物のモアイ像はサンメッセ日南という施設の中にあって、入るのに800円払うのも馬鹿馬鹿しいので後ろ姿だけ収めておいた。
むしろモアイより無料で飽きるほど眺められる海の方が断然いいまである。

後ろも前も、どこまでも海と空に包まれている国道220号は青い青い道だなぁ、青すぎて目が痛いくらいだもん

静かに揺れるツワブキの花を眺めながら30キロ以上続いた日南海岸を味わい尽くして

夕暮れの日南市街へ
日南はもっと海の街かと思ったけど、割と山に囲まれている小さな風情ある街並みだ
まぁたしかにここに来るまでの国道220号も海沿いではあるけどすぐそこに山が迫るような道だった。紀伊半島みたいな感じだね。
今日は相変わらずたくさんの方に話しかけていただき、応援以外にも市街地では日南で有名なお店で作られた海老の天むすを、海岸沿いではハーレー乗りのいかしたご夫婦に2千円を、、、
暖かいし温かい土地だ。

そして山側に夕日が沈むのを見届けて、キャンプ場までラストスパート

辿り着いたところではソロキャンプしていたバイク乗りの地元のおじさんに話しかけられて「今日は僕帰るから、よかったらこのテントで寝てもいいよ!ベッドもあるし」なんてお誘いもいただいたので遠慮なく寝かせていただくことにした。一人用の狭いテントから一気にモンゴルのゲルのような豪華なワンポールテント(ベッド付き)に昇格だ。
こうやって見ず知らずの旅人を平気で、しかもご本人はいなくなるのに、というところが九州の温かさなのだと思う。
月がだんだんと丸くなって、明るく照らされる夜だ。頂いた焼酎をクッカーでほんのり温めて、久しぶりにお酒を飲みながらブログを書いている。
なんだか一気に宮崎の良さを全て知れたような、そんな素敵な1日だったなぁ…
明日はいよいよ鹿児島県へ…本当に残り少なくなってきました。長い旅の終わりはすぐそこです。
歩行距離 40キロ
宮崎県宮崎市→日南市
総歩行距離 3616キロ

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